未来へのボール*FALL*
「………。」
ホントに、綺麗な顔。
あたしも美形の部類らしいけど、
あたしとは比べ物にならないくらい。
「…………別に、平気。」
「……へぇ。」
動く様子の無い美少女。
……何なの、この人。
「……ねぇ。」
「………………何。」
大きな瞳を揺らしながら、
あたしに話し掛けてきた美少女。
普通に答えたつもりが、
心なしか冷たい感じになった。
「熱、あるよ?あなた。」
首を傾げながらあたしに言った。
……あぁ。そうか。
何か体が動かないと思ったら、
熱があったのか。
でも
今となってはどうでもいい。
あたしが今ここで死んでも、
哀しんでくれる人も
哀れんでくれる人も
1人も、居ないのだから。
「………そう。」
今死んでしまった方が楽なのかも。