未来へのボール*FALL*
「体、辛くないの?」
辛い?
「…………さぁ。何も感じない。」
ただ感じるのは、ダルいってこと。
彼女はまだ、雨に打たれている。
あたしには、雨はかからない。
彼女があたしの上に傘を差している。
「……傘、自分で使いなよ。」
「あなた濡れちゃうよ。」
「……別に、いいよ。」
何をしたいんだろう。この人は。
あたしなんか、ほっとけばいいのに。
「……ね。立てる?」
「…………え。」
その子はあたしに答えを聞く前に
あたしの腕を掴んで立ち上がった。
頭がグラグラする。
ホントに熱があるらしい。
「……じゃ、行くね。」
彼女はそう言うと
スタスタと歩き出した。
え、ちょっと待って。
「どこ行くの……?」