未来へのボール*FALL*

ペタッと、額に何か触れた。


「大分下がったかなぁ。

もう大丈夫そうだね?」

額に触れたのは、ラルの手だった。


「そりゃあ、丸々2日寝てたしな。」


「まぁ、そうだね。」

熱は、下がったらしい。

寝てるだけで治るんだ。


………丸々2日寝てた?


「あたし、そんなに寝てたの?」


「ん?おぉ。ぐっすり?

お陰で俺とラル、

同じベッドで2晩寝たしな。」


「ライってホントに寝相悪いよね。」


「お前だって悪いだろうがっ!!」

同じベッドって…。

仲良いんだ。この兄妹。


「ご、ごめん。ベッド取っちゃって。」


「良いよ。どうせライだし。」


「これはお前もだろう!?」


「煩いなぁ。」

目の前で繰り広げられる兄妹喧嘩。


……何だろう。暖かい。

この空間は、まるで

マリと一緒にいる時のように

暖かくて、安心できた。





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