未来へのボール*FALL*
――練習開始から約1時間。
………凄い。
バスケが素人のあたしでも分かった。
皆、凄く上手いってことが。
特に。
「ラル、ナイッシュー!」
「まぁたラルに抜かれたぁぁ。」
ラルが、凄く上手かった。
「アヤメー。」
不意に後ろから名前を呼ばれて、
かなり驚いたあたし。
後ろを振り向けば、
そこにはニコニコのライ君がいた。
「ラル、スゲェだろ?」
「え、う、うん。凄く上手。」
そして…。
「楽しそう、だろ?」
「…………うん。」
バスケをしているラルは、
凄くキラキラしていて。
「な、アヤメもバスケやらねぇ?」
「え?あいや、あたし全然だし…。」
何を言うんだ、この人は。
バスケなんて、
体育の授業で少しやったくらいだ。
「いーからさ。な?おーいラル!!」
「ちょっ…。」