未来へのボール*FALL*

――練習開始から約1時間。


………凄い。

バスケが素人のあたしでも分かった。

皆、凄く上手いってことが。


特に。


「ラル、ナイッシュー!」


「まぁたラルに抜かれたぁぁ。」

ラルが、凄く上手かった。


「アヤメー。」

不意に後ろから名前を呼ばれて、

かなり驚いたあたし。


後ろを振り向けば、

そこにはニコニコのライ君がいた。


「ラル、スゲェだろ?」


「え、う、うん。凄く上手。」

そして…。


「楽しそう、だろ?」


「…………うん。」

バスケをしているラルは、

凄くキラキラしていて。


「な、アヤメもバスケやらねぇ?」


「え?あいや、あたし全然だし…。」

何を言うんだ、この人は。


バスケなんて、

体育の授業で少しやったくらいだ。


「いーからさ。な?おーいラル!!」


「ちょっ…。」





< 85 / 142 >

この作品をシェア

pagetop