未来へのボール*FALL*
《ダンッダンッ》
《キュッキュッ》
《ガコンッ》
……………何だろ。
何だろ。この感じ。
ものすごくしっくり来ると言うか。
気持ち良い。
病み上がり、なんて忘れて
あたしは汗を流した。
「…ハァッ。ハァッ…。」
気づけば、激しく息が乱れるほど
たった1つのボールを追いかけていた。
「アヤメ、バスケ上手いね。」
目の前には、汗を流しながらも
まったく息が乱れていないラル。
「どう?バスケ楽しかった?」
「…………うん。」
楽しかった。
凄く楽しかった。
ついこの間あったことなんて、
忘れてしまうくらいに
あたしは夢中になってた。
「アヤメ、バスケ一緒にやろうよ。」
ラルが、あたしに向かって言う。
「この学校で、さ。」
「…………え?」