未来へのボール*FALL*

「この学校で…って、無理でしょう。」

まず、学校が違うじゃないか。


それに、たとえここに来たとしても

きっとまた同じようなことが起こる。


「転校すればいいじゃんよ。」

当然、といった表情でライ君は言った。


「だから、無理だってば。」

そんな簡単に

出来るワケがないじゃないか。


「なんで?」


「無理だから。」


「ちゃんと理由を教えてよ。」

ラルはしつこくあたしに聞いてくる。

なんでそんなに知りたいの?

不思議で仕方がない。


「あっちの学校に、

仲が良い友達がいるの。

だから、無理なの。」

仲が良い友達…か。


『キャハハッ!』


『うわ、キモいんだけど。』


『あんたマジウザい。

消えてくんない?』

鮮明に頭に浮かんでくる、

ナホ達のあたしへの容赦の無い暴言。

表情。


仲が良いなんて…吐き気がする。





< 88 / 142 >

この作品をシェア

pagetop