キミ色
息を切らしつつ職員室へ向かうと
この前回収した課題のワークを教科まで持っていってと頼まれた。
40人分のワークを一人で持つのはかなりきついけど、仕方ない。
よろけながらも職員室をでて角を曲がる...と
ドンっ!!
勢い良く何かに当たり、思いきりしりもちをついた。
『いたた...、あ、すいませんっ』
慌てて立ち上がり相手を見ると
かなり怖そうな人。
髪は茶髪だし、ピアスしてるし男だし...
私のもろ苦手なタイプ...。
明らかに怒っている目で睨まれた。
絶対絶命だ!
チッと舌打ちをされ、散らばっているワークを蹴り飛ばすと何処かに行ってしまった。
まだ震えている足でしゃがみワークをかき集める
「大丈夫?」
『へっ?』
振り向くと、見慣れない男の子がいた。
でもネクタイの色が私の学年と一緒だから2年生なのかな?
「怪我ない?」
私の前にしゃがみ様子を伺ってくる顔は
整っているけど、派手じゃなくて優しそうな人だった。
『だだ大丈夫です...』
思ったより顔が近くて、ビックリした。