彼は人魚姫！
「流れ星、見た事ありますか？」


「ある、ある。あれってテンション上がるよね。ほんと一瞬でさぁ。願い事を三回なんて言えないよね」


オーナーが意外とよく喋る事にちょっとびっくりする。
話が興味のある事で良かった。
プライベートな部分を知るのって、特別な感じがして嬉しい。
たいした事ではないんだけど。
キラキラした目も、あたしの心臓をドキドキさせるには十分過ぎる。


「そうそう。一瞬ですよね。三回なんて言える訳ない。あっ！って思ったら消えてますよ」


「だろ？でもね、昨日の晩、ここで見たんだ。流れ星。…言えたんだ。初めて」


「うわぁ。すごい！その願い事、叶うといいですね」


「うん。もう叶ったんだけどね」


「ほんとですか!?すごい！良かったですね。やっぱり流れ星のパワーってすごいんだ。あたしも次に見た時にちゃんと言えるように練習しとかないと。とっさに出てこないんですよ」


「そうだね。いつもその事を考えてないと出てこないね」


心の奥底まで癒して行くような優しい笑顔。
きっと穏やかな性格の人なんだろう。
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