彼は人魚姫!
「いい香りだよね。飲まずに吸い込めたらいいのにね」
あたしの涙に気付いたのか、しぃは優しく言うと、空気を和ませるようにわざとあたしのカップに鼻を近付けてクンクンと匂いを嗅いでみせた。
「自分のを嗅ぎなさいよ」
少し怒って言うのを待ってたかのように、しぃが『へへ』っと笑う。
今までやって来た色んな事、もしかしたらあたしの気持ちを和ませる為だったのかな。
騙された事も、もう自分の中ではどうでもよくなっている。
そんな事より、もうじき、しぃを失う。
永遠に。
「凪、カッコいいだろ?弟から見てもそう思う。頭もいいし、優しいから人に好かれるんだ」
あたしは何も言わず紅茶を眺める。
「でも、だからって、ママは渡さない。ママが凪を好きだと言っても。力ずくで僕のものにする。僕は本気だよ。ママが好きだ」
この言葉をどこまで信じればいいんだろう。
それにオーナーと比べるなんて。
「ママが好きなのは凪だね」
あたしの涙に気付いたのか、しぃは優しく言うと、空気を和ませるようにわざとあたしのカップに鼻を近付けてクンクンと匂いを嗅いでみせた。
「自分のを嗅ぎなさいよ」
少し怒って言うのを待ってたかのように、しぃが『へへ』っと笑う。
今までやって来た色んな事、もしかしたらあたしの気持ちを和ませる為だったのかな。
騙された事も、もう自分の中ではどうでもよくなっている。
そんな事より、もうじき、しぃを失う。
永遠に。
「凪、カッコいいだろ?弟から見てもそう思う。頭もいいし、優しいから人に好かれるんだ」
あたしは何も言わず紅茶を眺める。
「でも、だからって、ママは渡さない。ママが凪を好きだと言っても。力ずくで僕のものにする。僕は本気だよ。ママが好きだ」
この言葉をどこまで信じればいいんだろう。
それにオーナーと比べるなんて。
「ママが好きなのは凪だね」