彼は人魚姫!
「あ、あの、お店休んですみません」
風に踊る髪を右手で押さえ、とにかく言葉を発した。
何か言わないと。場を繋がないと。
そしてこのざわつく心を悟られたくない。
ふらつくなあたし。
「構わないよ。気にしないで。あの店は雫さんの店だから」
微笑みながら、じっと見てるのはやめて欲しい。
ほんと溶けそうだから。
一瞬、重なった視線を慌てて外す。
「ねぇ、一目惚れってしたことある?」
「え?あ、いきなりすごい質問ですね」
ほんとにいきなりすごい質問をぶっ込んで来た。
こういう自分のペースで進むとこって、しぃと似てるかも。
そして。あたしの心を読んでる?
この兄弟には敵わない。
「一瞬で恋に堕ちるって言うとロマンチックだけど、それだけじゃないと思うんだ。本能だと思う。動物的な直感」
そう言われればそうかもしれない。
たぶん、その人を一瞬で全て受け入れてる。
「そうかもしれないですね。私は………、あの、オーナーはあるんですか?そんな素敵な恋」
卑怯な手段だけど、自分は答えず相手に話を振った。
オーナーはフフッと笑って少し額にかかった髪をかき上げる。
風に踊る髪を右手で押さえ、とにかく言葉を発した。
何か言わないと。場を繋がないと。
そしてこのざわつく心を悟られたくない。
ふらつくなあたし。
「構わないよ。気にしないで。あの店は雫さんの店だから」
微笑みながら、じっと見てるのはやめて欲しい。
ほんと溶けそうだから。
一瞬、重なった視線を慌てて外す。
「ねぇ、一目惚れってしたことある?」
「え?あ、いきなりすごい質問ですね」
ほんとにいきなりすごい質問をぶっ込んで来た。
こういう自分のペースで進むとこって、しぃと似てるかも。
そして。あたしの心を読んでる?
この兄弟には敵わない。
「一瞬で恋に堕ちるって言うとロマンチックだけど、それだけじゃないと思うんだ。本能だと思う。動物的な直感」
そう言われればそうかもしれない。
たぶん、その人を一瞬で全て受け入れてる。
「そうかもしれないですね。私は………、あの、オーナーはあるんですか?そんな素敵な恋」
卑怯な手段だけど、自分は答えず相手に話を振った。
オーナーはフフッと笑って少し額にかかった髪をかき上げる。