彼は人魚姫!
「喉も渇いちゃった。ママ」


あたしの右横に50センチほど離れて膝を抱えて座っている、そいつ。
そう言いながら近寄って来てピタッとあたしの右腕にくっついた。


「な、何!?離れなさいよ」


反射的にあたしは体を左に避けて立ち上がる。
やめてって。
なんでこんな、馴れ馴れしい?
あぁ、もうやだ。帰りたい……


「ママ、我満出来ない……」


「えっ!?」


そいつもガバッと立ち上がる。
そう………
立ち上がっちゃったよ。
まずいでしょ。
ヤバイでしょ。


「………」


あたしの目の前にいる、そいつは。


すっぽんぽん。
すっぽんぽんのオ・ト・コ。


さっき、あたしが貸したピンクのタオル、落ちてるって。
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