新撰組刹那綴-霞草-
「土方さん!連れて来たぜ!!」
襖の向こうから
「入れ」と冷たい声が聴こえた。
原田が豪快に襖を開けると
ずらりと男達が
半円を描いて座っていた。
「うるせーよ。左之さん!
土方さん今気が立ってんスから」
「ははは!平助。
俺に忠告するのはいいが
土方さんに筒抜けだぜ?」
「あっ、やべ!!」
「静かにしねぇかッ!!」
土方の怒声で
騒がしかった部屋がしぃんと
静まりかえった。