新撰組刹那綴-霞草-
「近藤さん。もういいでしょう。
吐く気がないなら斬りましょうよ」
「な……ッ!」
「今回は総司が正しいか…。
………連れていけ」
ガシッと両腕を掴まれる。
まずい。
このままじゃ………。
ぐっ、と歯を食いしばった時
懐から何かが落ちた。
「あッ!!」
取ろうと手を伸ばした時には
それは土方に拾われてしまった。
「……?
瓦版の切り抜きか?」
カッ、と頭に血がのぼる。
「か……返せ!!!」
「!」
「土方さん!」
「トシ!」
私は土方の手から
強引にそれを奪い取った。