新撰組刹那綴-霞草-



「てめぇ!」


隊士は全員
刀の柄に手をかけている。


殺される――――

そう思った瞬間
なぜだか涙が溢れてきた。


「ごめんなさい。
ごめんなさい……。
でも、でもこれは……っ」


私はぎゅう、と切り抜きを
握りしめた。



「トシ。なんだったんだ」


「……数日前に起きた
大火の記事だった。
……お前、何者なんだ?」


もう、話すしかない。


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