bloom flower story


「「「「「セーフ」」」」」

先輩たちは声を合わせ、顔ににじみ出た汗を拭う

「先輩、毎回私のいないところで走ってるんですか?」

「「「「「うん」」」」」

毎日、ご愁傷様です・・・・・・

私は心の中で、毎朝会わなくてくれてありがとう

と、今日初めて先輩にお礼を嵐のように心の中で書き並べた

「兵助先輩、毎回ここへ逃げるんですか?」

「うん、そうだね。ここは、私たちの顧問の授業教室なんだ~」

ん?

顧問の先生って誰?

「先輩、お尋ねしますが・・・私、一回も顧問の先生を見たことがないのですが」



「「「「「えっ」」」」」



私、いけないこと言ったのかな??

まあ、確かに見たこと無いのは事実なのだが――――――――――

「お前、本当に、見たことがないのか・・・」

会長が眉間にしわを寄せ、少し怖い顔をする

「ええ、一度も」

「本当に?」

朱音先輩も聞いてくる

「はい」

「俺たちの顧問だぞ?」

秋兎先輩本当に見たことないし・・・

「そんなことないよね・・・」

五月先輩まで・・・

「咲夜ちゃん、嘘を言うのうまいね♪」

綾都先輩まで――――― って嘘なんか、してないし



「まったく、本当に君の担任の担当科目をきちんと把握しているのか? 咲夜君?」


いきなり、後ろから黒いオーラとともに、手を置かれた



「――――――――
土井せんせい!!!!!」



「私の担当教科はなんだったかな?」

えっと確か・・・・国語と体育?

浮かび上がった言葉を、そのまま言う

「国語と体育ですよね・・」

この一週間で先生の顔を見たのはこの授業だけだった

これだけは、きっぱり言える!!!

だって、何回も指されたんだもん

「お前、まあ解らなくもないが・・・私は一応音楽も担当もしているんだ」

< 15 / 48 >

この作品をシェア

pagetop