bloom flower story
「「「「「セーフ」」」」」
先輩たちは声を合わせ、顔ににじみ出た汗を拭う
「先輩、毎回私のいないところで走ってるんですか?」
「「「「「うん」」」」」
毎日、ご愁傷様です・・・・・・
私は心の中で、毎朝会わなくてくれてありがとう
と、今日初めて先輩にお礼を嵐のように心の中で書き並べた
「兵助先輩、毎回ここへ逃げるんですか?」
「うん、そうだね。ここは、私たちの顧問の授業教室なんだ~」
ん?
顧問の先生って誰?
「先輩、お尋ねしますが・・・私、一回も顧問の先生を見たことがないのですが」
「「「「「えっ」」」」」
私、いけないこと言ったのかな??
まあ、確かに見たこと無いのは事実なのだが――――――――――
「お前、本当に、見たことがないのか・・・」
会長が眉間にしわを寄せ、少し怖い顔をする
「ええ、一度も」
「本当に?」
朱音先輩も聞いてくる
「はい」
「俺たちの顧問だぞ?」
秋兎先輩本当に見たことないし・・・
「そんなことないよね・・・」
五月先輩まで・・・
「咲夜ちゃん、嘘を言うのうまいね♪」
綾都先輩まで――――― って嘘なんか、してないし
「まったく、本当に君の担任の担当科目をきちんと把握しているのか? 咲夜君?」
いきなり、後ろから黒いオーラとともに、手を置かれた
「――――――――
土井せんせい!!!!!」
「私の担当教科はなんだったかな?」
えっと確か・・・・国語と体育?
浮かび上がった言葉を、そのまま言う
「国語と体育ですよね・・」
この一週間で先生の顔を見たのはこの授業だけだった
これだけは、きっぱり言える!!!
だって、何回も指されたんだもん
「お前、まあ解らなくもないが・・・私は一応音楽も担当もしているんだ」