bloom flower story
大運動会まで、あと10日
生徒会メンバーは、校舎を走り回っていた
会長は、印刷室でポスターを100枚くらい刷っている
「ったく、誰だよ、このポスターを持っていく輩は!!」
そう怒鳴りながら、コピー機にけんかを売っている
「仕方ないよ、毎回だもん」
そういう、朱音先輩も大変そうだった
校舎の地図を片手に、競技の配置、時間、分担を猛スピードで行っている
毎回というのは、このポスターは歴代の会長職の人が作るようになっている
そのため、会長こと、藤井 蒼李が描いた
しかし、その刷ったポスターはファンクラブなどの女子に持って行かれる
そのため、どんどんなくなっていく
しかし、生徒会としては放っておいてもいいのだが、そのポスターには告示や、大まかな予定も書いてあるため、また刷るしかない
「会長、まだ足りません!!もっと刷ってください!!」
私は、校舎を全速力で走ってきたため、髪の毛はボサボサ、息は荒く、汗まで掻いている
理由は、不足したポスターを皆に渡す為のパイプ役をしている
トランシーバーを片手に、もう片手には、なん百枚のポスターを先輩方に渡すために何回も往復
とても、クタクタ状態
そんな姿は、みっともないのに今はもうそんなことはどうでもいい
「解ってるよ!!」
そう言って、私に印刷したての30枚くらいのポスターを差し出した
「早くいって来い、って言うか、トランシーバー渡したろ。何で使わない?」
いきなり、私の頬とつまんで鬼の形相で言ってくる
「ずみまでーん」
天の助けか、綾都先輩が持っている無線から連絡が届いた
「会長、こちら綾都で~す。西校舎1階 全部ありません~。50枚くらいくださ~い」
「はあ? 無いだと!?」
私でも驚いた
そんなにない場所は初めてだった
しかし、西校舎はあまり出入りが少ないから20枚くらい張ったにもかかわらず、全滅し
ていた
「こちら、五月。大変申し訳ないのだが、東校舎3階の踊り場、階段付近半分近くありません。」
「こちら、兵助ですが、北校舎、外門から下足箱付近まで跡形もなく持っていかれました。たぶん、今年は外部の者も持って行っている様子」
「こちら、秋兎―――――――」
「これ以上、持っていくなぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
会長の雄叫びはこうじゃ全土に聞こえ、トランシーバーを持っている人のところまで聞こえたそうだ