bloom flower story
「じゃあ、僕は行くね・・・最初だし~」
そう言って、軽い足取りでスタートラインに立つ
「位置について・・・よーい パン!!」
始まりの合図が鳴り、綾都先輩はとてもゆっくり走っていく
「先輩、大丈夫なんですか?」
「まあ、1位は確定だから・・・」
こんなに遅いのに1位確定って・・・何で?
そう思いながら、見物しているとその理由がわかった
なぜなら、パンがとても高い位置にあるからだ
およそ、2メートル以上
無理だと思う・・・こんなに高い位置は背の高い人しかゴールはできないと思う
しかし、皆苦戦しているのに優勝なんてできるのだろうか
綾都先輩は普通より低いくらいの背なのに・・・
「無理ですってば、あの背では・・・」
指を射していたら綾都先輩が軽々とパンを口にしておいしそうに頬張っている
「ほら・・・あいつは、前世ウサギだという噂だ」
兵助先輩も、口を引きつらせながら言う
「ははは・・・」
「ゴール 1位は生徒会」
そう言って、解説の人が言うなり、さっきのように歓声が飛び交う
「じゃあ、次だから」
兵助先輩は、生徒会でも一番足が速いし大丈夫だ
しかし、驚いたことに順位は2位
なんと、兵助先輩は風紀委員会に負けてしまった
風紀委員会は、生徒会の次に力のある委員会だ
「すまない、やはりあちらも勝ちを狙っているようだ・・・」
「大丈夫ですって、私が勝てばいいんですから!!」
兵助先輩の分まで!!
そう意気込みながら、グラウンドに向かった