bloom flower story
私はやる気満々でスタートラインについて、軽く体を動かしていた
「こんにちは」
そう隣の、トラックにいた人に声をかけられた
腕章には風紀委員会の名前
委員会では、生徒会と風紀しか腕章はない
「はあ」
「この勝負、私がもらうね」
「いいえ、私がいただきます」
そこの2人だけ白熱していた
「位置について、よーい パン」
私は、一気に50メートルを全速力で駆け抜ける
そして、お題をとるとそこには・・・
「委員会で一番尊敬している人」
そう書かれていた
しかし、ここは誰を選ぶべきか?
やっぱり会長?
後ろから、風紀委員会が向かってくる
考える余地がない状況になってしまった
「会長、来てください!!」
私は、大声で叫び呼ぶ
「俺?」
そう言いながら立ち上がって私の方に向かてくる
借り物競争は、手を繋いでゴールしないといけない
なんとややこしいルール
恥ずかしい。だけど、この勝負に勝つため!!
「会長、手を!!」
「ああ・・・」
そう言って、最初にゴールするが1問数学の問題が出た
結構進学校なので問題が難しいはずなのに・・・
「答え、576Xの3乗とγ=78、関数はy=2」
暗算で、会長は解いてしまった
「正解!! 1位は生徒会!!」
「やりました!!会長すごいです!!」
「2位 風紀委員会」
「やっぱり、風紀委員会か」
「やっぱりって、去年もそうだったんですか?」
「ああ、結構僅差で勝ったんだが・・・」
指の爪を噛み、うつむく
「今年こそ、勝って見せますよ」
「お前は・・・椿 総史!!」
会長は、表情をこわらせる
「すみません、僕の名前を言うのを忘れていましたね・・・僕の名前は、さっき言われた通り椿 総史です。学年は、会長と同じ 以後お見知りおきを・・・」
「椿ぃ~ 」
後ろの方から、椿先輩の呼ぶ声が響く
私は、椿先輩が声真似をしているのかと思っていたが、後ろから、椿先輩の顔をした人物が・・・
ドッペルゲンガー?
本当に、瓜二つが私たちの方へどんどん近づいてくる
驚いているのは、私だけ
何で会長は驚かないのか・・・そう思いながら、状況を整理する
しかし、可能性は双子か、お化け?
それしか、出てこない
双子って、こんなに似ているものかな
「こんにちは、僕は風紀委員の副委員長をしている寿 裕史です」
裕史先輩なんかふわふわしている感じがするのに対して、総史先輩は、クールって言うか、本性を出さないって言うか、なんかミステリアスな人だった
「こんにちは、凄く似ていますね。双子なんですか?」
「はい?」
会長は、馬鹿を目の前で見てしまったというようなため息をした
「ふふふふ、僕の名前は、寿 裕史、委員長は椿 総史。苗字が違うじゃないいか」
「そういえば!!」
「でもね、いとこなんだ」
「そうなんえすか!!」
びっくりしすぎて滑舌が回らない
「委員長、副委員長!!」
また、後ろから声が聞こえた
また!! またおんなじ顔じゃないよね・・・
違うことを願いつつ振り向く
「まったく、こんなところにいたんですか。探しましたよ」
そう言ってくるのは、またもや美少年3人組
「こんにちは、この人が、委員長の気に入った女の人ですか・・・」
「まあ、可愛いこと・・・」
「僕の趣味じゃない・・・」
いきなり、感想を言われるが、最後の方になって冷めた感じ
私には、グサリと胸に突き刺さった
「すみません、この子たちとても正直で・・・」
「いえ」
笑顔で、私はそう答えるが裏腹に一発殴ろうと思ったがそこはぐっと押さえて・・・
「僕の名前は、黒岩 雅也」
「角田 優です」
「麻倉 誠 ・・・」
「委員会のメンバーだ、僕たちはこのメンバーで風紀委員会が成り立っているんだ」
親切に、説明する総史先輩
「それじゃあ、この姫との1日デートを必ずゲットするから」
投げキッスまでして、その場を後にした
「そんな事、させるかっ」
小声で言う会長の声は私には聞こえなかった