さとーさん
おれ
今日は水曜日だ。

自分の借りてる本の返却期限だ。もちろん一週間では読み切れるはずないから
もう一回借りなおすんだが昔はこんなに熱心に貸出規約を守ったりすることは
なかった。

”さとーさん”が図書室に来てからは図書室もにぎやかになったなぁ…

なんて思いながら借りている文庫本を片手に靴をきゅっきゅと(なんかぎゅっ
ぎちぃみたいなのに近い感じ)鳴らしながら図書室までの道のりを渡る。

唐突だけどおれには友達が少ない。いや、言い直せば周りにいて”会える範囲”
の友達が少ないのだ。おれは別にちっとも寂しいなんて思ってない。
別に好きでもないやつにごまをすってるやつを見てるとなんか黒いものが
ぐるぐる渦巻く感じはするが、いえるような性格ではない。
気が知れたやつが2、3にん周りにいればそれでいい。

そんなのどうでもいい。

図書室についた。

開館とかかれたふだがぶらぶらとぶら下がりうなだれている壁の横にあるドア
を学ランに通した腕と手を使ってあける。
そこにはいると紙と木のにおいがまざった図書室のにおいってやつがした。
今日も定位置”さとーさん”がいた。
周りには今日も男子やら男子やらちょっぴりの女子がいた。
さとーさんは
おれにきがつくと待ってましたと言わんばかりにカードと例のアレを渡し
てくる。例のアレなんていうから健全な中高生男子ではなくても
怪しいものに聞こえるだろうがなんてことない。ただのメモ帳だ。

おれとさとーさんはいわゆるペンフレンドってやつだ
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