先生が先生であること~Take A Fancy To The Teacher~
私が中2の時だった。
友達とショッピングしてた時,急に私のケータイが鳴った。

「誰だろ……はい,もしもし?」

「悠~,助けて(泣)」

別行動してたもう1人の友達・紗季(さき)からだった。


急いで言われた場所に駆けつけると,たくさんの買い物したものをひっくり返して,店のフロアーに撒き散らした物を慌てて拾う紗季の姿があった。

と,もう1人…………
「誰?あの男の人」

大学生らしき,全身黒めの服装の男性。

急いで紗季の元へ駆け寄ると,その男性が一緒に拾うのを手伝ってくれたらしく,ほとんど片付いていた。

一方の紗季は自分のやってしまったことに,涙目になっている。

「すみません,ありがとうございます。」

私はその男性に頭を下げる。

「いえ,何もしてませんから」

そういった彼はとても素敵な笑顔で,私は一瞬ボーっとしていた。


結局,名前も聞かぬまま別れた。





それから1年半程経ち,私は高1。

なんとなくクラスに馴染めず,保健室で授業をサボることが増えた。

毎日勉強勉強で,何も他にやっていない自分に嫌気が差していた。


そんな時再会した, あの 男性の正体は……この学校の数学の先生だっ
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