STAR QUEST
「そうすよ、インスラタウンでせェ」
知らないおっさん(?)が、呆れた声で言った。
「それにしても、お客さん物好きだねェ。なんで、こんな物騒な街に来たんだい?ここは、善悪が激しい場所だぜ」
「…ここに来たのは、学校のため。それに、あたしの家は隣の町だから、物騒だろうが気にしない」
「ふぅん。学校ってマリファーナ学校の事かい?お客さん、そりゃあ凄いとこに入学するもんだな。大変だぞ?国一の学校だから」
「…別に。例えるなら、日常の追加」
「追加…ねぇ」
あたしは頷き、馬車から降りた。
「お客さん」
「ん」
「名前…何て言うんでせェ?」
「あたしの名?
……あたしは、バンリ。
ありがと、ついでに乗せてくれて。また、あたしが乗る機会もあるだろうけど、その時はもう、変な夢見させないでよね」
「変な夢?」
「じゃ」
そして、手を振り、去ってった。