STAR QUEST
だったら…ここは、ビシッと決めないと。
「さあ、なんで遅刻したの?」
ふ…この嘘なら誰だって、分かってくれるはず!!
「な…納豆を食べて遅れました」
どうだ!!
ブフーッと、胸元を強調したオバサンは飲んでいたコーヒーを吹き出し、ライトさんは咳込んだ。
「な…納豆?はあ?」
「はい、納豆を食べる時、人は皆あの味に捕らわれて時間を忘れますでしょう」
「いや忘れないけど。ライトさんの魔法がかかってるんじゃない」
「あの納豆の味が分からないなんて、もはや人間じゃないでしょう」
「いや貴方が人間がじゃないかもしれない。一度検査した方が良いわ。先生として心配よ」
「誰もが愛する納豆。納豆に縛られたせいで、あたしは遅れました」
「いや、意味分からないし、てか、先生の話は聞いてる?」
「先生。…先生ってなんですか?」
「………」
「………」
「ええッ!?」
少し遅れて、ライトさんが驚愕の言葉を発した。
「…はあ、もう良いわ、疲れちゃった…ライトさんその子を連れて勉強させてあげて…」
「あ、はい。ほらバンリちゃん行こ」
ライトさんはあたしの腕を優しく引っ張り、職員室と言うやらの部屋から出て行った。