STAR QUEST
「もう…まさか、あんな遅刻理由を言うなんてねえ」
「…嘘、ですけど、」
「ええ~。嘘なの~」
ライトさんは苦笑いしながら、あたしの腕を離した。
「さあ、本当の遅刻理由を聞きましょうか」
そして、改めてあたしに向き合った。
「……寝坊です」
「そうよね~。ちゃんと、言えるじゃない」
「…ライトさんだから」
ライトさんは笑いながら、あたしの頭を撫でた。
「良く出来ました。ふふっ」
…何だろう。ライトさんは、
…優しい。
なんか……分かる。
「…あ」
「ん?」
あたしはハッとすると、頭にあったライトさんの手を振り払った。
「…バンリちゃん?」
…なんでこうも、皆こうなんだろう…
「…気安く触らないで」
あたしは小さく呟くと、ライトさんを睨んだ。