STAR QUEST
「…は、可愛くねえ奴。ブス豚」
「ああん?」
オイ、ちょっと。今ちゃんと聞こえたぞ、ブス豚って、コラ。
可愛くないは別に良い、実際可愛くないし?現実は仕方なく認めるわ。
だけど、さすがの私だってブス豚はクソ腹立つ。“ブ”何回言うんだよ。
…あ、二回か。
…ってんなのどうでも良い。多分こんな事言う奴はこん中で一人しかない。
それは、
「貴方は昨日あたしに負けたクソ犬ですよね、ボランさん」
そうボランさん。
「…誰がボランだボケ。ブス豚。俺は、フランだ」
じゃなっかった、そうそうフランさん。
あれ、てかでも…ボランさんの方が響き良くない?
ボランさん…フランさん…ボランさん…ボランさん。
ほら。
「………絶対この人、付けられる名前間違ったよね…」
あたしはぼそっと小さく呟いた。
もちろん、嫌味の意味で。
「あ?んだと」
あんだと?あはははこの人おもしれー犬語喋ってるわー
「おい、てめえ口に-「はい、フランの自己紹介お終いー。ほっとくと喧嘩になるから次行くわよ」」
「あ?違う、俺は自己紹介なんてしてない」
「でもさっき自分の名前名乗ってたじゃない」