ENNSOKU

陰謀

今日はみんなが待ち望んでいる、遠足の日。
俺は、その貴重な日を存分に楽しんだ。
先生の集合の音がなる。みんなが続々と集まって行く。
生徒が集まったのを確認した後、先生の話が始まった。
そして最後にこう言った。
「家に帰るまでが、遠足だぞ！」
俺はそれを聞き流し家に帰る。
遠足でわざと残しておいた、お菓子を食べながら家に向かう。
やっと家についたと思うと…
そこにあったはずの家がなくなっていた。
家族も一緒に…
俺はパニックに陥った。
なくなった家の前で、数分間立ちすくんだ。
すると、向こうから友達の優斗がものすごいスピードで走ってきた。
俺はそれをすぐには気づかなかった。
声をかけられて初めて気がついた。
「おい！おい！」
「あっ…なんだよ！？」
「ここ、お前んち？」
「そうだけど…」
「やっぱり…俺の家と同じだ…」
「まさか…お前も！？」
「あぁ…」
すると、もう1人向こうから走ってきた。
それは友達の栄輝だった。
まさかと思ったが、予想は的中。
栄輝も家と家族が消えていたらしい。

そこに、担任の陰謀が隠されているなんて俺らはそのとき知る由も無かった。