未来へのボール*WINTER*
《ヒュゥゥ…》
「うぅ…さぶっ…。」
病院には、1時間くらい居た。
ライに「そろそろ帰ったらー?」と
ポロっと言われたので、
今、病院の外を歩いてる。
何だかライ、看護婦さんに内緒で
毎日密かに筋トレしてるらしい。
…ライらしいとゆうかなんとゆうか。
「ラル。」
隣から、声がする。
「はい。」
声の主を確認するまでもない。
サクト先輩に決まっている。
「俺と付き合って。」
「はい。」
…。
……………………………………
……………………………………
……………………………あれ?
「えっ∑(゚Д゚)⁉︎」
ちょ、今何て言ったこの人。
「え、ち、ちが…っ!あれ?」
何だこれ。
「まぁ、落ち着け。」
「…、は、はい。」
うーわ。寒い。
すんごく寒い。冷たい風吹いてるし。
…けど、なんかあっつい。
「まだ、ダメか?」
いつの間にか歩みを止めて、あたし達は
道端で向き合って話している。
「…いや、えっと。」
……ん?
「ちょ、ま、待ってください。」
「何だよ。」
え、何その面倒くさそうな顔。
「ま、"まだ"ってどういう意味ですか。」
「あぁ。それ?」
「…。」
「だってさ。」
「…。」
先輩の目があたしの目を捕えた。
「お前、俺のこと好きじゃん。」