未来へのボール*WINTER*
2人並んでコートの中に入っていく
後ろ姿はとてもお似合いだった。
「…(なんか…)。」
良いなぁ、あの2人。
2人の後ろ姿をボーッと見ていたら、
肩にぽん、と手を置かれた。
振り向くと、副部長さんだった。
「見てなよ。
あの2人の勝負、凄いから。」
その表情は、本当に楽しそうだ。
「…あの2人、バスケ上手いんですか?」
少々唐突過ぎる質問だった気がする。
「んー?
2人共木村が羨む程の実力だしねぇ。」
「うっわ、佐々木うるせーよ。」
いつの間にか副部長の隣に居た部長。
「まぁ、とりあえず見てろって。
……世界が変わるから。」
小さく囁いた部長の言葉も、
私にはしっかりと聞こえた。