未来へのボール*WINTER*

ラルが居なくなった瞬間、

俺のクラスの教室がざわついた。


「今の子誰!?1年だよね!」


「あんな美人居たのかよ!

全然聞いてねーし!」


「てゆうか、阿賀君の何!?

なんか封筒渡してたよね!」


「あの子、何組なんだ?」


「………。」

ざわつく教室の中、俺はラルが

置いた茶封筒を見つめていた。


………予想出来てはいる。この中身。

そして出来れば外れて欲しいとも思う。


《カサッ…》

封がされていない

その封筒の中身を取り出す。


中には1枚の紙が印刷面を内側に

3つ折りにされて入っていた。


「………。」

それを広げれば、それは。

……予想が当たってしまった。


それは、時たま見る"退部届"だった。





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