未来へのボール*WINTER*
《キュッ、キュッキュッ》
《キュキュッ、キュッキュッ》
《キュッ、キュキュキュッ、》
………凄いんだと、思う。
今まで私は、バスケとかは
学校の授業くらいでしか
やったことも見たことも無かった。
…ボール1つであんなに
しなやかで、綺麗な動きを
生み出すことが出来るのか。
2人は、何だか凄く綺麗に思えた。
「あっ!」
「ゴールっ。」
「…ぅあー…っ、悔しい。」
ゴールを決めたのは女神先輩だった。
「サクト先輩、
今の本気でヤバかったです。」
「ホントかよそれ。」
「ホントですって。」
笑い合う2人。…お似合いだなぁ。
「どうだった?」
「!」
あ、そうだった。後ろに
部長と副部長が立ってるんだった。
「…綺麗、でした。」
咄嗟に出た感想はこれだけ。
「だよねぇ。木村ー、綺麗だって。」
「ホンットに不思議だよな。
ボールの奪い合いしてる筈なのに、
何であんな風に見えるんだろうな。」
私が感じていた事は、
部長も副部長も感じていたらしい。
「2人共、凄く上手なんですね。」