未来へのボール*WINTER*
「んー…まぁ、
サクトは高校バスケで
全国とか行ってるし……
ラルは…アレだしな。」
「アレ?」
少し言葉を濁した部長に、
反射的に私は聞き返した。
あ、聞き返さない方が良かったかな。
「んー…中学ん時、
3年連続で日本一取ったらしい。」
「え…。」
何だそれ。本当に神レベルじゃないか。
「ま、当の本人達は2人共
全然その栄光に興味無いみたいだし。
今じゃ2人共うちの部員だ。
俺らの可愛い後輩。」
ニコ、と微笑んだ部長は
優しい顔をしていた。
「ま、2人共木村より上手だけどねぇ。」
「おま、おい佐々木!? せっかく俺
部長らしくカッコよく決めたのに!!!!!」
「焦りすぎでしょ。」
「くっそぅ…(´;ω;`)。
俺だってそこそこ上手いのにぃ…。」
え、部長泣いてる。
「部長ー、部長も混ざりませんかー。」
女神先輩が腕をブンブンと振って
部長を誘っている。可愛い。
「ラル。よく見ろ。
部長泣いてる。ほっといてやれ。」
「え( ゚д゚ )、なんで泣いて…。」
「副部長にまたいじられたんだって。
ほっといてやろう。」
「あぁ…(´-ω-)。」
「おいてめぇ等聞こえてんぞ!!!!!」
「うお、部長が怒った。」
「涙目ですね部長大丈夫ですか。」
「大丈夫だよ!
ちくしょう心配なんかしてんじゃねぇよ
お父さん感動しちゃうだろ!!!!」
「「…(・ω・)。」」
一瞬にして2人が同じ表情になった。