未来へのボール*WINTER*
Ⅲ 見舞い
〔side羅琉〕
《カツッ…カツッ…》
ローファーが
床を叩く音が鼓膜を震えさせる。
白いこの建物は、何だかあたしから
全てを奪っていく気がして、怖かった。
お母さん。
お父さん。
《ガラガラ…》
「…………ライ。」
この白は、
あたしからあなたも奪っていくのかな。
傷1つ付いていない、綺麗な顔。
固く閉じられた瞳。
規則的に上下する胸。
ライは、生きてる。
メニュー
Ⅲ 見舞い