未来へのボール*WINTER*
「………ライ。」
手を取れば、
その手には人間の温もりがある。
あたしが握っても、
握り返してくれることはない。
あたしが一方的に握るだけ。
最近、ふと思うことがある。
あと何回、こうしてライの手を取れる?
あと何回、こうしてライの顔を見れる?
あと何回…こうして一緒に居られる?
「…………。」
ライの手に頬を寄せた。
ライの手の甲、スベスベだ。
起きて欲しい。
けど、起きて欲しくないとも思うよ。