未来へのボール*WINTER*
あたしとミツは、予定通り中庭にある
日当たりの良いベンチに座って
ランチタイムを迎えた。
「冬なのに、ここはあったかーい。」
ミツの言う通り…もう12月になるのに、
このベンチの周りは暖かく感じる。
「……今日の朝、嬉しかった。」
「え?」
何が?
「ラルさ…バスケ部に
顔出さなくなってから…
何となく口数が減ってさぁ…。
元々口数少ないのに。」
「…………そう?」
確かに…病院から出て数日間は、
一言二言位しか喋って無い気がする。
そのまま…冬を迎えてしまっていた。
「昼休みとかも…なんかラル、
授業終わったらすぐ何処か行くし。
避けられてるのかと思ったんだから。」
「えっ…ごめん。そんなつもりは…。」
「うん。違かったって知ってる。
避けてたの、部長だったんだね。」
「…………いや。」
「やっぱりー。」
あっさりと見破られた。
「まぁ…とにかく。
あたしはラルの友達でいいんだよね?」
「え、それは勿論。」
「…良かった。」
ミツを、不安にさせていたんだろか。
あたし…やっぱり最低だな。