未来へのボール*WINTER*

《ガラッ》

……あれ。誰か入ってきた。


「あら?今度はあなた?

どうしたの?」

誰か生徒が入って来たらしい。


「いや、転けました。」


「えぇ?あなたが?

運動神経抜群っていう噂なのに。」


「他の生徒と当たってしまって…。

それに俺、そこまで運動得意じゃ…。」

……この声。


「そうなの?まぁ良いわ。

そこの椅子に座って傷見せて。」


「はい。」

……聞けば聞くほど、似てる。


「あ、傷って手の平?」


「あ、はい。咄嗟に手が出て…。」

…てゆうか。


「反射神経良いのね。

やっぱり運動神経抜群は本当かしら。」


「いや…普通です。」

普通に…。


「またまた。運動部所属のくせして。

生徒会長兼バスケ部部長でしょう?」


「まぁ…役職的には。」

普通に本人だし…。


「ん。消毒終了。

絆創膏だとすぐに取れちゃうから

ガーゼと包帯にするからね。」


「良いですよ。そんな大袈裟な…。」


「私が手抜きしてるみたいでしょ。

黙って包帯巻かせなさい。」


「……はぁ。」

……サクト先輩の声。


「よし。処置完了。」


「ありがとうございます。」

何日ぶりに、聞くんだろ。





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