未来へのボール*WINTER*
《ヴー、ヴー、ヴー》
「………っ…?」
突然震えたスカートのポケット。
思わず声を上げそうになって、
必死にその衝動を抑えた。
………誰だろ。
ポケットから取り出した携帯電話。
そこに表示された画面を見た瞬間。
「………っ!」
あたしは走り出した。
《ガシャンッ‼︎》
保健室のドアが激しく鳴るのに
気を使うのも忘れて。
「ハッ……、ハッ……、ハッ…。」
あの部屋に向かって、走った。