未来へのボール*WINTER*
Ⅵ 片割れ
〔side羅琉〕
「……っぅ、…ぐすっ……。」
「いい加減泣き止めって!な⁉︎」
病室で、あたしはライにあやされてる。
それでも涙は止まらなくて。
「ラーールーー。」
「……っ、なひ、ふんの……。」
むにーっとライに頬を引っ張られた。
「泣き止めってば。
そんなに俺に会えたの嬉しいのか?」
「……当たり前じゃん。」
あたしには、もうライしか居ないから。
1人は、どんなに強がっても
知らないフリしても、
やっぱい寂しいもの。
「……起きないかもって思ってた。」
お母さんや、お父さんみたいに。
「…ライも、死んじゃうのかも…って。」
怖かった。
何度、自分も
死んでしまえたらとおもったことか。
もしライが死んだら、
自分も後を追うべきなのか、とか。
……ライの寝顔を見ながら
何度も何度も、考えた。
「………そっか。悪い。」
なんで謝るの。
「……ライのバーカ。」
悪いのは、あたしなのに。
「おまっ、もうちょっと
可愛い妹らしく泣いてろよ!」
「泣き止めって言ったのライでしょう。」
いつの間にか、涙は止まっていた。
……ライ、すごい。
言わないけど。