未来へのボール*WINTER*
「ラルのせいじゃない。」
「…。」
「事故がお前のせいとかどんだけだよ。
ラルのせいじゃないって。」
ほら、言う。…笑ってライは
そんなことを言ってのけてしまう。
どうして、何で。
あたしを責めてくれないの。
いっそのこと
思い切り罵倒された方が
罵られて蔑まれた方が
ずっと、ずっと…楽だというのに。
「ライ…は、優しいね…。」
あたしがそう言えば、
ライは悲しそうに笑う。
それでも、ライは笑うんだ。
「……でもね、辛い。」
痛い。
「ライが、笑ってるの、見たくない。」
痛い。
「笑わなくて良いから…
あたしを責めていいから…
泣いてよ。」
胸が、締め付けられる様に
痛くて堪らない。
そして、この痛みは。
「……っ、ラル…。」
ライの持つ痛みの片割れだと
そう思いたい。