未来へのボール*WINTER*

「全部あたしのせいにして…

幾らでもあたしを責めてもいいから…

無理して笑わないで…。」

止まったはずの涙の出口に、

また熱が篭るのが分かった。


「……ラルはさ。何で、

そんなこと言っちゃうかなー…。」

この言葉を発するとすぐ、

ようやくライは笑顔を消して俯いた。


「……ライ。」

せめて、今だけは。


「……ごめんね、…ごめん。」

同じ傷を感じるくらい…良いでしょう?


「……っ、だから…何で………。

何で、ラルが……謝んだよ…。」

その声はもう、弱々しい。


あたしは、ライの少しだけ震える左手に

自分の手を乗せた。

温かかった。


「……ラル。」


「…ん。」


「……こっち、来て。」


「……。」

ライは俯いたまま、

左手であたしの手を掴み、

その真っ白なベッドの上に誘導する。


《ギシッ》

あたしの座っていた

パイプ椅子が鳴った。





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