未来へのボール*WINTER*
「仮に。仮に、だぞ?
お前のせいにして考えたとして、だ。」
「だから仮とかじゃなくて…。」
「最後まで聴いてろアホ!
仮にお前のせいにしたとして、
お前がそこで死んだ父さんと母さんに
何をすべきだと思う?」
「……何を…って…。」
何も、出来ないじゃないか。
「お前のバスケを見る為に死んだ
父さんと母さんへの罪滅ぼしが、
バスケを辞めることで
良いと思ってんのか?」
「………え…。」
「俺は死後の世界とか信じてねぇけど、
もし死後の世界とかあるんだとしたら
父さんと母さんどう思うんだろうな?」
「…。」
どう……って。
「命かかってまで見たかったのに
お前はそれを辞めてるんだろ?
随分と酷い話だな。」
「……っ。」
責めるような、ライの口調。
何を言われても仕方が無いと
そう思ってここまで走ってきたのに
凄く重く感じてしまった。