未来へのボール*WINTER*
……、分かった所で、だ。
「…それを俺にどうしろと…?」
告れば良いのか。
………いやいやいや。
突然すぎるだろ。幾ら何でも。
しかも今俺、全力で避けられてるし…
…ヤバい、マジで俺に兆しが無い。
「…はぁ…。」
結局、俺はどうするべきなんだ。
《カサ…》
鞄の中から1つの茶封筒を取り出す。
……これ、どうしよ。
俺が手に持って眺めるのは
茶封筒に入ったラルの退部届。
『……コレ、お願いします。』
ラルは、どんな過程で
これを俺に渡したのか。
退部届を机の上に置いて、
名前を書く欄に書名する時…
少しでも、躊躇いはあったのだろうか。
後悔とか心残りとか、何でも良いから…
ラルの決心を邪魔するものは
ラル自身の中にあったのだろうか。