未来へのボール*WINTER*
「タコ。」
「アユ!」
「サメ?」
「マンボウ!」
「ヤドカリ…?」
「え、ヤドカリって魚?」
「いや…知らないけど…。」
「てゆうか、
タコも魚って感じじゃなくない?」
「え、タコは魚で良いでしょ。」
「そっか。じゃあイカ。」
「まだ続けんの…。」
2時間目と3時間目の合間、
あたしとミツは
魚の名前を言い合っていた。
本当に何してんだ、あたし。
「えー、つまんない?」
「つまんないってゆうか…
最早遊びでも何でもなくなってるよ。」
そう。始めは遊びのハズだった。
"しりとり"と言う名の。
休み時間、ミツが暇だから
しりとりしよーとか言い出して、
ただのしりとりじゃ面白くないから
魚しりとりにしよーとか
ミツが言い出して、
で、ミツに回ってきて3回目に
魚しりとり無理!むずい!とか
これまたミツが言い出して、
むずいからさ、
魚の名前上げてくことにしよーとか
またまたミツが言い出して、
今に至る。
「えー、じゃぁ
マグロとサーモンどっちが好き?」
「…サーモン…かな。」
「へー。魚の寿命ってどれ位かな。」
「ねぇミツ。魚から離れた会話しよ?」
ミツの頭の中が魚パラダイスなこの頃。
《キーンコーンカーンコーン》
で、チャイムも鳴る。