年下の君
親父は
「この子か。申し訳ないが直樹には婚約者がいるんだ。早く別れてもらえないかね?」

俺はさすがにキレた

「ふざけんじゃねぇ!」
親父に向かって言った

「お父さん、私は真剣に直樹くんと交際しています。別れる気はありません。お父さんもお母さんと結婚した時を思い出してください」

と言ったが

「今、皆藤財閥はピンチなんだ。立て直すためには政略結婚だけなんだ。わかってくれ」

そう言ってリビングから出ていった

愛佳は泣きそうだった

「大丈夫だから。俺がちゃんと説得するから」

俺は離れないように抱きしめた――

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