悪魔は人に依存する
悪魔は愛に微笑んだ
(一)
紛うことなき、愛撫であった。
「もう、十分に飲んだと思うんですが……」
腰をよじらせ、太ももを閉じようにも、股下の男がその訴えを退ける。
ベッドのシーツを掴み乱す、女の限界などお構いなしに、ただただ男は、貪り舐めた。
女の太ももを撫で、閉じようとするならば外側に押し、腰を浮かせて逃げようものなら、顔を突っ込む。
砂漠の中でも歩いていたかのように、渇望したのは液体。自身の血液を舐めてでも渇きを潤したい心境でもあったか、液体であれば良しと、男の貪り具合は、正にそれだ。
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