悪魔は人に依存する
「いい加減、ふやけちゃいますよ」
舌の温度はもとより、吐かれる息の熱さ、秘部のみでサウナ気分を味わっているかのような。
お湯に浸かった指がふやけるのとて長時間はかかるであろうに、女がそう思えるほど、男はずっとこのままだった。
半ば、食事。
喉ばかりが潤い、腹は満たされない食事だが。
「シキミが、気持ち良さそうだから」
実際の目的はそれだと、男はようやっと顔を上げた。
グロスでも塗ったかのようなテカりとぬめりを持った唇を指で拭い、またそれを舐めとる動作をしながら、女と視線をかち合わせる。