悪魔は人に依存する


「尽きない美酒の栓を開けるには、悦びが必要だからね」


「私は酒樽じゃないですよ」


「例えだよ。これが出るってことは、シキミ、感じているんだよね?」


これが、の部分で男の指先が愛液の流出箇所に触れた。


ひくっ、と指先の触感によがった女を見て、男は当たりを得たと機嫌良さそうに笑った。


「こうさ、シキミがそんなになっているのを見ると嬉しいと言うか……。臭いセリフなんだろうけどさ、愛する人が俺だけを感じて、よがっていると思うと嬉しいんだ」


「ほんとに臭くてむず痒いですよ」


もー、と女は男の頭に手を置いた。


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