悪魔は人に依存する


「あなたを呼び出せば、その後、四六時中をベッドでなんて……発情期の獣みたい」


身が持たないとその頭を撫でれば、さらりとした髪と硬い突起物に触れる。


「ケダモノです」


手を焼く獣だと、女――シキミは、ぐぃっと男の頭から生えた黒い角を引っ張った。


おっと、とシキミの上にのしかかる一歩手前で男は踏ん張ってみせたが、相変わらず引きは強い。


「痛いなぁ」


「言うことを聞いてくれないからです」


側頭部から生えた雄牛の角を引っこ抜くつもりで力入れても、無論のことながら、抜けない。


そう分かっているからこそ、シキミはお仕置きと称して、怒りを表してみたが、男にとっては笑ってしまう些細なものだった。


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