悪魔は人に依存する


アガトに巻き付いていたものから、導火線のように根本まで舌が輪切りとなる。

ぼたぼたと地に落ちる赤い舌は虫のようにまだ蠢いてみたものの、逆襲する様子はない。


「ダンナあああぁ!」


飲み込まれる一歩手前だったと、涙を流しながらインプがアガトに飛び付いた。


「も、もうダメかとおぉ、うわわんーっ」


助かったよー、と生還した喜びをアガトに擦りつきながら表現するインプ。アガトとて、九死に一生を得たには違いないのだけど。


「ダンナぁ?」


「……」


「リアクションうすっ」


呆けていたアガトにぺしっと翼での気付け薬をやれば、はっと我に返ったようだった。


「今の……」


「出し惜しみしないでくださいよっ、ダンナ!やっぱ強いじゃないっすか!今のどーやったんすか、え、コツおせーて!」


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