悪魔は人に依存する
「いい加減にしておけ!」
今度は鬱陶しいと思っただけで、その対象物が切れた。
輪切りの鼻もまた地に落ち、達磨となったデウムスをアガトは睨み付ける。
優劣の優を取って勝ち気になったわけではない、ただ単に、憎いだけだった。
舐められた体からは異臭がし、ぬめりも取れない。不快な舌触りでさえも後を引くし、隅々まで蹂躙されたことには苛つきを隠せない。
シキミに捧げた体。
それを喰らおうとしたこの存在を、殺したい。
殺しなんて今までやったことはなかった。平和ボケなんてしたつもりはないけど、ああ、あれは、自覚がないからこそ、ボケていられるんだ。
「お前ほど、殺したいと思った奴に出会ったことはない」