悪魔は人に依存する


「何を喚いているんだ、お前は」


「おっ、ダンナ、ちょうどいいところに。――おう、聞けや、雑魚!デウムスを軽くのしたこのダンナの餌食になりたくなきゃあ、このラードの海からルビー探せえぇ!」


インプの呼びかけ、というよりも、デウムスを殺したというアガトを見た魚人が皆一様に震え上がり、脂肪をかき分け始める。


インプが言ったルビー探しでもしているんだろう。


そうだ、当初の目的はそれだというのに。


「怒ると短絡的になるんだな……」


目の前のことしか見えてなかったと、ベトベトの上着を脱ぎ捨てた。


「水ならぬ、唾液滴るうほっいい男、っすねぇ、ダンナ」


「お前の言葉はよく分からないな」


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