悪魔は人に依存する
「ひえぇ、更にスペシャルな名、キタコレねん。シキミって、絶倫の魔女でしょん?」
「は?」
「だからん、召喚師としての技量もさることながら、そっち系もすごいって――うひぃっ」
胸ぐらを掴まれたオドエーヌが、ギブアップのポーズを取っても、アガトは今にも噛みつきそうな形相をしていた。
「どこの魔女かは知らんが、俺の主(シキミ)をそいつと一緒にするな」
「で、でもんっ。召喚師で『シキミ』。しかもん、あなたみたいな――デウムス殺せる最強ちゃん従えてんならん、そーと強い召喚師だろうしんっ。この世界じゃ、んなの『絶倫の魔女』しか――」
閉じぬ口を黙らせようともしたが、ここでこいつを殺せば、帰れなくなるかと床に投げ捨てた。